変なものを食べるカラス
カラスは雑食で何でも食べますが、人間は食べないだろう変なものも食べます。
それは、石鹸やロウソク、石灰、防水のコーキング剤などです。
決して美味しくないだろうこれらをカラスは食べることがあるそうです。
実際、2000年冬に千葉県の幼稚園の外の手洗い場に置いてある石鹸が一ヶ月に計60個ほど無くなる事件があったそうです。
いずれもネットが鋭利な刃物で切り裂かれたようになっていたため、一時変質者の犯行かもといわれていましたが、防犯カメラを設置したところカラスがネットから石鹸を取り出しくわえて飛んでいく姿が映っていたそうです。
その他、京都では伏見稲荷大社にてカラスがロウソクを持ちだす姿も目撃されているそうです。
では、なぜカラスは石鹸やロウソクを持っていくのでしょうか。
それは、食べる為だそうです。
石鹸やロウソクを持ちだすのはハシブトガラスで、ハシブトガラスは肉食性で脂が大好物です。
石鹸は油脂から作られる為、ハシブトガラスにとっては食料ということです。
けれどもカラスにとっても決して美味しいわけではないようで、取っていくのは主に食料不足の冬の時期だそうです。
また伏見稲荷大社でのロウソクは和ロウソクでハゼノキの実の脂を丹念に何層にも塗り固めて作られていたそうです。
ハゼノキというと先日記事にしたとおり、脂肪成分が多く含まれているものです。
というわけで、カラスが石鹸等を食べるのはいずれも脂を得る為だったようです。
もし、近くの公園などで石鹸が無くなる事態が頻繁に起こるようならばカラスが持っていっているのかもしれませんね。
参考図書:カラスの常識(著:柴田佳秀)
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